日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月19日わかりやすい話をするために大切なこととは?



★twitter内のあるツイート


私は2年前からtwitterに話し方に関することを投稿しています。興味のある方はぜひこちらをご覧ください。投稿するだけでなくフォローしている人のツイートも読んでいます。その中で次のようなツイートを発見しました。


娘のインナーはタグが外側についてる。普通は内側についてるよね。なんで外側についてるかって言うと内側だとチクチクして子どもが気にしちゃうかららしい。インナーだから外側についてようとも隠れるし。『普通は』なんて固定観念を持っているところにこそニーズは隠れているかもね。



「本当にその通りだなぁ」と、とても共感しました。インターネットが普及してから世の中はめまぐるしく変化しています。そのような現代において「常識」とか「普通」ということはどんどん少なくなっていると感じています。ところが年齢を重ねるとそうした変化に鈍感になり、いつまでも以前の常識が通用すると思ってしまいます。


日本話し方センターの各コースでは20代、30代の受講生が多いです。そういう人と話していると、自分の今までの概念が通用しないな、と思うことが時々あります。そのため「普通は」とか「今までこうだから」という観念は極力持ってはいけない、と常々思っていました。なので、このツイートには心から共感できたのです。




★相手が推測するとおりに話す


そして共感すると同時に「しかし、話し方に関しては逆のことが言えるな」ということにも気付きました。
人は話を聞いている時、ある程度予測をしながら聞いています。「そして」という言葉を聞くと「この後、今話したことの続きを話すんだな」と考えます。「ところが」と聞くと「これから今の話と反対の話をするんだな」と推測します。これは、私たちが持っている共通認識や話す上での常識をもとにして話を理解しているプロセスと言えるでしょう。従って、話をする際は、相手が推測するとおりに話をすると、相手はストレスを感じることなく話を理解することができます。逆に、相手の推測に合わない話し方をしてしまうと聞き手は混乱してしまい、その後の話が聞けなくなってしまうので要注意です。





★相手の推測に合わない話し方の例


相手の推測に合わない話し方の例を幾つか挙げてみましょう。
①「私はその人の話にとても感動しました。この人にはついて行けないな、と思ったんです」
(聞き手:「えっ? 感動したのならついて行こうと思ったんじゃないの?」)
②「私は魚が食べられません。なぜなら、えっとぉ、小さい頃からそうで、食べられないのです」
(聞き手:「ん? どうして食べられないのかな?」)


①は、いうべきことを飛ばして話した例です。「話に感動したけど、私とは考え方がちょっと違うなと思った」ということを飛ばして話しています。また、②は途中で話を変えた例です。「なぜなら」という言葉を聞いた人はその後に「~だからです」という言葉を待っています。しかし、②の話し手は「なぜなら」と言ってから気が変わって、小さい頃からずっと魚が食べられなかった、という話をしてしまったのです。
これらの例を冷静な状態で読むと「私はこんな話し方はしない」と思うでしょう。しかし、考えながら話していると上の例のような話し方をしていることが実によくあります。聞き手の立場になって、聞き手が安心して推測できる話し方を心がけましょう。




★話し方に磨きをかけましょう!


日本話し方センターのベーシックコースでは、今回お話した話の構成をはじめとして、滑舌や声のトーン、表情、話の内容や話す順番など、話すことに関するあらゆることを丁寧にご指導しています。ぜひ無料体験教室に参加して、その実際の様子をお確かめください!

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